この病気を研究する有識者の方々や、「ふくやまっこ」の家族のみなさんを中心として、さまざまな方にお話をおうかがいしました。
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- 第11回 中村 治雅先生
脳神経内科医師 / TMC臨床研究支援部長 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター -
福山型筋ジストロフィーの根本的な治療法はまだ確立されていませんが、将来的に薬の治験が始まるといわれています。来たる治験の開始に向けて、患者家族が持っておくべき心構えはあるのでしょうか? 治験に欠かせない患者情報登録システム(レジストリー)の専門家であられる中村治雅先生に、お話をうかがいました。
福山型筋ジストロフィーの治療薬の治験が、いずれ始まるといわれています。そもそも「治験」とは何を差すのでしょう?
薬の承認を下すために、厚生労働省の定めたルールに則って有効性や安全性を確かめる臨床試験のことです。動物実験など多くの高いハードルを乗り越えたうえで、初めて患者にお薬を投与する治験にいたります。
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- 第11回 中村 治雅先生
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- 第10回 認定NPO法人フローレンス
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福山型筋ジストロフィーのお子さんに限らず、病気や障害が発覚して、保育園や幼稚園に入園が叶わない、又は入園できたとしても過ごし方で様々なハードルを感じるご家族は多いのが現状です。
そこで、日本でも障害児保育にいち早く取り組んでこられたフローレンスの方に、「障害児訪問保育アニー」について取材をさせて頂きました。事務局の上羅さん、実際、福山型筋ジストロフィーのお子さん(文中:路路ちゃん)の保育経験を持つ平山先生のお二人にお話を伺いました。(以下、敬称略)
アニーの障害児保育の特徴及び、立ち上げの経緯を教えてください。
(上羅)アニーは訪問型の保育と看護を組み合わせた事業になります。自宅での保育にはなりますが、おうちにいるだけではなく、公園や児童館に出掛けたり、また近隣の園との交流保育での子供同士の交流も行っています …
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- 第10回 認定NPO法人フローレンス
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- 第9回 戸田 達史先生
医師 / 東京大学医学部教授 -
福山型筋ジストロフィーの治療法確立の為に、日々、多くの研究者や医師の方々が努力を重ねてくださっています。
今回、患者自身や家族からの発信で、何かサポートとしてできる事はないかを考える機会として、「福山型筋ジストロフィーのような稀少難病に対して治療開発を行うためには何が必要か?」を主題に、東京大学医学部教授の戸田達史先生にお話を伺いました。
福山型筋ジストロフィーの治療開発を行うために、患者家族に何ができるでしょうか?
または何が求められるでしょうか?先ずは患者登録サイト『神経・筋疾患医学情報登録・管理機構』への登録が必要です。正確な患者数の実態を把握する必要があります。
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- 第9回 戸田 達史先生
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- 第8回 石垣 景子先生
医師 / 東京女子医科大学医学部小児科 講師 -
2016年、東京女子医科大学病院で倫理委員会を通し、福山型筋ジストロフィーの臨床研究として処方が認められた、ステロイド(プレドニン)。ステロイド自体はよく耳にする薬ですが、福山型筋ジストロフィーの患者さんの体にステロイドがどのように作用するのか、また使用する上でのメリット・デメリットに至るまで、同病院小児科医、石垣景子先生に詳しく解説して頂きました。
そもそもステロイドと聞くと、スポーツ選手などが使う筋肉増強剤のイメージがあります。筋ジストロフィーに使うステロイドは、どういった種類のものになるのでしょうか?
一般的に知られている筋肉増強剤はホルモンステロイド剤(アナボリックステロイド)であり、筋ジストロフィーの投薬で使われるプレドニンなどのステロイドは、糖質コルチロイドと呼ばれる全く別の薬になります。プレ …
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- 第8回 石垣 景子先生
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- 第7回 遠藤 玉夫先生
研究者 / 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所 副所長 -
昨年の春、神戸大学の戸田先生チームが福山型筋ジストロフィーの原因に「糖鎖」の異常が関係している事を突き止めました。秋には共同研究者の遠藤玉夫先生が、発症にかかわる原因遺伝子の機能と構造も解明されました。
そもそも、「糖鎖」とは何か、患者達の身体にどのような影響を与えているのか、遠藤先生にわかりやすく解説いただきました。ふくやまっこにとって、糖鎖ってなんだろう?
福山先生が福山型筋ジストロフィーという病気を見つけて約50年、戸田先生達が原因遺伝子を見つけて約20年、ようやく病気が糖鎖の異常に起因しているという事が分かりました。私達の体は60兆というたくさんの細 …
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- 第7回 遠藤 玉夫先生
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- 第6回 齋藤 加代子先生
医師 / 東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 所長・教授 -
長年、ふくやまっこの遺伝子解析を研究し、患者や家族の遺伝子診断も行っている齋藤先生に、「遺伝子」という観点から福山型筋ジストロフィーの病気について語っていただきました。
福山型筋ジストロフィーを発症する原因遺伝子についてご説明ください。
起こるべくして起こる進化の歴史がどの生物にもあります。親から精子と卵子を受け継ぐ時にDNAの配列が少しずつ組み替えられます。その作業中、約300個に1個ぐらいの確率で読み間違えてしまいます。その多々あ …
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- 第6回 齋藤 加代子先生
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- 第5回 高見 葉津先生
言語聴覚士 / 指導教室「育ちの部屋」運営 -
疾患の特徴として、発語やコミュニケーションにおける問題、食事をする際の咀嚼や嚥下でも度々悩まされる事が多いふくやまっこ達。
今回長きにわたり言語聴覚士としての経験で、様々な子供達と関わってきた高見葉津先生に、コミュニケーションに置けるポイントや、食事の際ケアするべき点などをお聞きしました。ふくやまっこは個人個人での差はありますが、理解をしていても発語に関しては遅いと言われています。
子どもとのコミュニケーションをとる上で、親や周囲の人が大事にしていくべき点がありましたらアドバイスをお願いします。
コミュニケーションの発達には子どもと大人との直接的な関係(二項関係)、それから発達して子どもと他者と物との関係(三項関係)が必要です。人との愛着関係やおもちゃや絵本、食物などの物を介して一緒に同じもの …
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- 第5回 高見 葉津先生
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- 第4回 戸田 達史先生
医師 / 神戸大学医学部教授 -
2016年の春、神戸大の戸田先生チームが福山型筋ジストロフィーの発症原因において、大きな発見をなされました。
今回はその発表内容に関して、わかりやすくご説明いただきました。この度の発見に関してご説明お願いします。
福山型筋ジストロフィーが発症する原因になっているタンパク質はジストログリカンです。ジストログリカンの周りにあるお砂糖(リビトールリン酸)が切れてしまうために福山型筋ジストロフィーが起こります。これまで …
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- 第4回 戸田 達史先生
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- 第3回 加藤さくらさん
親業インストラクター/心理カウンセラー -
加藤さくらさんは、福山型筋ジストロフィーの真心ちゃん(5歳)のお母さんです。福山型筋ジストロフィーの家族会を立ち上げた初期メンバー。長女のゆとりちゃんと旦那さん、家族4人の日々の生活について伺いました。
著書、「えがおの宝物」はどのような内容ですか?
病気がわかってひどく落ち込んでいたところから、学んでいた心理や親業での観点を通して、どう前に進んでいったか、そしてその日々の中で真心が気づかせてくれた沢山の事について書いてます。世間的に「障害児」や「 …
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- 第3回 加藤さくらさん
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- 第2回 大澤真木子先生
医師 / 東京女子医科大学 小児科 名誉教授 -
長年にわたり、ふくやまっこと親をも、温かく見守ってきてくださった福山型筋ジストロフィーの臨床医の権威である大澤先生。今回も大切なメッセージを沢山いただきました。
ふくやまっこを診察する事になったきっかけを教えてください。
東京女子医科大学学生時代、福山型筋ジストロフィーを発見された福山先生の講義を聴いた瞬間、大きな感銘を受け、即座に「先生の講義は素晴らしかった!」とラブレターを書きました。福山先生はとても情熱的で魅力的 …
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- 第2回 大澤真木子先生