重複障害と生きるふくやまっこ、奈那ちゃんの日々。

重度の聴覚障害と福山型筋ジストロフィーを抱える浜田奈那ちゃんの記事が、高知新聞に掲載されました。

日々の生活、抱える問題、家族の気持ち、それらは家庭によって様々ですが、この記事を通してふくやまっこをより理解して頂ければと思います。

以下、高知新聞より引用です。

https://www.kochinews.co.jp/article/36315/

※時間が経つとリンクが切れてしまうので、本文だけコピーさせていただきました。

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■大阪に通い訓練する理由■
高知市 保健師 浜田知加(37)
娘の奈那は重度の聴覚障害と福山型筋ジストロフィーです。2014年、連載「眠れぬ母たち」の中で紹介された後、私は2015年、職場に復帰。娘は1年間の保育園を経て、2016年春から高知県立ろう学校幼稚部に入学。心身両面で急成長しています。

この数カ月間で単純な手話を少しずつ覚え、言葉にできない思いは体で表現し始めました。家では見ることのできない、表情、行動をたくさんしているようで、担任の先生が書いてくださる連絡帳が楽しみでたまりません。

表現力がついた娘は自宅にいる時、自分の思いが通らないと急に全身を脱力させ、頭を机にぶつけることをし始めました。筋力が弱い病気なので、それが自己表現なのです。娘の急成長に私の心身がついていけず、限界に近い状態になっていた時に、音十愛ちゃんの連載記事が載り、泣きながら読みました。

私たちは、東京や大阪、岡山へ時々、通院して専門の治療を受けています。7月6日からは大阪発達総合療育センターで約1カ月間の集中リハビリ訓練を受けています。娘の付き添いのため私と夫、私の母の3人が1週間ごとに交代します。

なぜ、そこまでして大阪へ行くのか。高知と違うからです。各職種が連携し、チームとして取り組んでくれます。カンファレンスには全職種が顔を出し、娘にとっての「いつまでに何をどうやって」という目標を共有。そして「問題解決型」ではなく「子どもの潜在能力・可能性を引き出す関わり方」をしてくれます。

例えば、「食」の問題。娘は4歳ですが、食形態は健常児の生後7、8カ月時程度。舌でつぶせるぐらいの硬さしか食べられず、どんなふうに摂食させたらいいのか悩みが尽きません。こうした問題に対して、歯科関係者や言語聴覚士はもちろん、理学療法士は食べる時の椅子や姿勢、作業療法士はスプーンやフォークなど道具の工夫で関わり、そこへ看護師や医師、介護士、ソーシャルワーカーらが家族と共に考えてくれるのです。

でも、県外に行くのは経費もかかるし、リスクも伴います。娘は発熱するとけいれんを起こし、10分間以上に及ぶ時もあります。親子2人で県外へ向かう最中にけいれんを起こしそうになった時は病院もどこにあるか分からず、恐怖でした。以来、乗り物に乗る前は激しい不安に襲われ、今は極力、家族で行くようにしています。

人口の少ない高知では難病の症例数が少なく、同じ境遇の相談相手もおらず、家族は孤独や孤立を感じることも少なくありません。

重度障害のある子が生まれても、家族が普通の生活が送れるようにと願います。そのために▽家族のレスパイト(休息)がとれること▽障害児に関わる各職種がチームとして連携し関わること▽そのチームのコーディネーターや、上級アドバイザーがいること▽高知県全体でそのシステムをどう構築するのかを考えていくこと―が必要と感じます。

何をどうしていくべきなのか、私たち当事者の家族も、他の家族や支援者の方々とともに考え、行動したいと思います。

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